2017

08

06

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自分を愛しすぎた女.大石圭



特別と思われたい、沢山の視線を集めたい、羨ましがれたい。そんな脅迫的な観念に花梨は囚われ続けている。オーディションに一度も受かることがなくても両親の離婚で裕福な生活とは遠くなっても。現在はプロダクションにも所属せず派遣社員として働く花梨が、陥った罠の先にあった悲劇とは。

少なからず誰にでも、天から何か降ってこないかと思うことがあるのではないでしょうか。花梨はそれが異常に強く、時に気付く機会がありながらスルーします。徐々に自らを追い詰めてきます。厳しく言われても、気付けるって大切ですね。

2016

02

20

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地獄行きでもかまわない.大石圭



小説家を目指す南里遼太郎は、小説を書いては投稿するも落選ばかり。覆面作家・野々村ケンの作品を貪るように読み、羨む日々を送っていた。ある日、美しい夕紀の気を引くためについてしまった一つの嘘。その嘘は夕紀を劇的に変えたが、恐ろしい悲劇の始まりでもあった。

遼太郎がついた嘘は一つですが、その結果は周りの人々をも巻き込んだ大きな悲劇でした。最後の方は幸せな日々を送ることがやっと出来そうな状況なのに、地獄は目前です。上げて落とすって流れでしょうか。

2015

11

25

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堕天使は瞑らない.大石圭



木田健太と婚約者の藤島茉莉花は成田空港にいる。バリ島で結婚式を挙げるため、出国審査の長い列に並んでいた。美しい茉莉花に、誰もが目を向ける。だが、審査官が発した名前は藤島大輔。戸籍上、茉莉花は男性だった。祝福されない旅立ち、だが更なる悲劇が二人を待っていた。

おお、ついにこの分野に参戦されました。しかも絶妙でした。誰が悪いというわけではなく、でも、これを起点に不幸な事態は起こってしまいます。静かな対比があり、人間の考え方を問われているようでした。

2015

11

12

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殺意の水音.大石圭



父親に虐待されている時、母が殴られて泣き叫ぶ声を聞いている時、一人きりで過ごす学校の休み時間、一人きりで帰る放課後の通学路。毎日のストレスやダメージが、純一の容器の中に絶えず滴り続ける...。そして最後の一滴が滴り、容器の縁を越えた日、純一は鬼になった。

純一の心に水が滴り続ける様が、微に入り細に入り書かれています。地上の限りある幸福を力づくで奪うため、自分よりも幸福な人の命を純一は奪っていきます。殺意に至るまでに滴った水音、という解釈で間違ってはいない筈です。容器をデカくしないといけません。

2014

07

20

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呪怨-終わりの始まり-.大石圭



1995年・盛夏 少年は新しい義父から虐待を受けていた。そして、ついにその日が…。2014年・春 新卒の生野結衣は小学三年三組の担任となった。前任の教師が急に辞め、臨時採用だった。そのクラスには、八日続けて欠席している佐伯俊雄という少年がいた。2004年・春 四人の女子高校生が、誰もいないのに子供の声がするという家に入った…。

年代が交差して話が進み、この世界が奥深くなっていました。怨念の塊だった伽椰子がそこに至る前は、一人の人間だったと改めて思いました。ネタバレを避けますが、確かに読んだ後に「終わりの始まり」が、しっくりきます。たとえ伽椰子の人となりが語られようと呪怨は呪怨。呪いは続いていく、ということでしょうか。

2013

10

12

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殺さずに済ませたい.大石圭



早朝の犬の散歩で出会う、椿涼と白木麻衣。椿涼はつくる人形すべてが高価格で落札される若手人形作家。一方、白木麻衣は40歳を超えてなお美しいクラッシックバレエの教師。そして椿涼は、白木麻衣にそっくりな42号目の人形をつくっている。白木麻衣を殺してしまわないように……。そう、椿涼は連続快楽殺人犯だった。

私見ですが大石作品王道な主人公、椿涼。ほぼ、彼の一人称で話が進行します。主人公がどのような破滅に向かうのか、妙に焦燥感にかられ結末まで一気読みのパターンも多いのですが、本作は味方によっては安心して読めます。

2013

03

16

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赦されたい.大石圭



幼いころから美しくスタイルも良い笑子は大学を卒業した夏に妊娠、結婚した。だが、つわりもひどく、自分に費やせるお金もなく、出産後は更にストレスが募っていった。そんな状態で幸せな家庭を築けるはずもなく、30歳の時に夫から離婚を切り出され娘の親権も手放した。そして10年、笑子を待ち受けていたのは原発不明癌だった。

不治の病に侵されホスピスで最期の時を過ごす笑子が、過去を想い、赦されたいと願う話です。私見です。大石作品の主人公たちのカテゴリは、それほど多くはないと思うのですが、環境や切り取る時間が少し変わっただけで新鮮に感じます。

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