2009

05

31

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蘆屋家の崩壊. 津原泰水



反曲隧道/蘆屋家の崩壊/猫背の女/カルキノス/超鼠記/ケルベロス/埋葬虫/水牛群

おれは三十路を超えても、未だ定職に就けずにいるようなぐうたら。伯爵と綽名される
怪奇小説家とは無類の豆腐好きで、関西の豆腐を食い歩きに来た。福井近くを走って
いると、学生時代に親密な関係があった秦遊離子が思い出された。最後の一線を越え
ることなく小浜に帰ってしまった彼女は、こういって抵抗した。「きつねが憑いたら、困る」
小浜、秦、きつね。伯爵に請われ、遊離子を訪ねたおれたちに恐怖の夜が待っていた。
(蘆屋家の崩壊/ より) 表題作を含む、八編の連作短編集。

「アッシャー家の崩壊」をパクっているのかと思い、軽い気持ちで手に取ったのですが
適度に昭和のかおりがする怪奇小説で面白かったです。主人公“おれ”の巻き込まれ
系大陸型の性格が、なんといっても楽しい。続編もあるようなので、読まなくちゃです。

幽明志怪シリーズ情報: 蘆屋家の崩壊. 
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