2019

06

29

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アリス殺し.小林泰三



栗栖川亜理は不思議の国の夢ばかり見ることを自覚、夢の内容を書いておくことにした。『こんな夢を見た。白兎が走る。蜥蜴のビルに「スナークはブージャムだった」という合言葉を聞く。ハンプティ・ダンプティ殺害される』亜理が大学の研究室に着くと王子玉男が墜落死したことを知る。夢で死ぬと現実でも死んでしまう?その後も夢と現実がリンクするように事件が相次ぐ。夢の国のアリスは三月兎と帽子屋から1週間の猶予を貰い、自分の容疑を晴らそうとするが極力してくれる井森健は現実では頭が切れるのだが夢の国では記憶力がほぼない。亜理はアリスを救えるか?

「不思議の国のアリス」のキャラクターが登場し、あの不条理な会話が本家さながら展開されて笑えます。そして蜥蜴のビルがいい味を出しています。現実では頭が切れて頼りになりますが、夢では誰もが仕方ないと脱力する程記憶力がないのです。井森と現実で打ち合わせしても夢に持ち込めないんですよね。それが笑えます。笑えますが、殺害方法はエグいですし最後ヤラレますし、侮れません。
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2019

06

26

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恐怖小説キリカ.澤村伊智



不幸は出発の前に/長い長い妻の告白/友人に関する覚え書き

香川隼樹の応募作「ぼぎわん」が第22回日本ホラー小説大賞を受賞、妻の霧香と共に喜んだ。だが、友人の一人が香川の小説や環境に執着し、箍が外れた行動を取り始める。その狂気は妻の霧香にまで迫り、霧香の秘密のみではなく香川自身の秘密までをも曝け出してしまう。

第22回日本ホラー小説大賞を受賞、受賞後のペンネームは澤村伊智。本作は受賞の知らせを受け取るところから始まり、本作の依頼受けつつ、とリアルに進んでいきます。やはり人間が一番怖いのでしょうね。

2019

06

22

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狼のようなイルマ.結城充考



捜査一課殺人班イルマ

池袋の駅構内で発見された遺体は警察が到着しても血が流れ続けていた。被害者はIT関係者、死因は波布毒による多臓器不全だった。独自の嗅覚でイルマは捜査範囲を広げ、複数のIT関係者の死に新興IT企業のCEO佐伯が絡むと考えた。だが、佐伯の行動確認中、黒社会の報復が佐伯を狙い、低温に応戦したイルマは重傷を負ってしまう。入院したイルマを狙った蜘蛛は思いがけない行動を取る。

追うイルマに追われる佐伯。佐伯を狙う低温とイルマを狙う蜘蛛。これはもう大騒ぎです。クロハに続く女性刑事シリーズで、イルマも心に何か持っているようですがクロハのあのどど暗さはありません。人より早く犯人を閃いてしまい、そのため捜査本部の方針から外れ、周囲に敵を作りながらも早期解決してしまう。その流れを持ちつつも周囲の反応が違うのは主人公たちの性格の違いでしょうか。性格って大事ですね。

入間祐希:警視庁捜査一課刑事、警部補
宇野弘巳:入間の部下
蜘蛛:毒を操る始末屋
低温:中国黒社会の刺客

シリーズ情報:狼のようなイルマ.

2019

06

19

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黒面の狐.三津田信三



建国大学から軍歴を重ねた物理波矢多は思うところあり、大学に通った身ながら戦後は九州で炭鉱夫となった。その過程で知り合った合里光範に世話になりながら働いていたが、ある日の落盤事故で合里が犠牲になってしまう。その混乱の中、炭鉱住宅の一号棟で注連縄で首を縊った死体が相次ぐ。そこに絡む黒い狐面は呪いなのか。

背表紙に新シリーズと書かれてありましたが、戦後の炭鉱という限定した場所で話が進みますので一体どういうシリーズになるのか、読み終わった今でもよくわかりません。物理が他の炭鉱を経ながら炭鉱に纏わるシリーズになるのか、本作は一つの形として狐面が絡んでいくシリーズなのか。炭鉱夫が体験した黒い狐面の女、首縊りの死体が見つかる前に出没する黒い狐面の男。相次ぐ事件はホラーなのかミステリなのか、最後まで引っ張ります。

2019

06

16

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有栖川有栖の密室大図鑑.有栖川有栖[文]磯田和一[画]



海外ミステリ20作品/国内ミステリ20作品/+1作品

1982年から1998年の間に発表された国内外の短編と長編の中から有栖川氏がセレクトし、磯田氏がイラストを描いた40作品。それに加え、有栖川氏の作品の中から磯田氏がセレクト、イラストを描いた1作品。計41作品の間取り本です。間取りのカテゴリに入れるべきか迷います。

2019

06

13

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BURN 猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子.内藤了



殺人兵器のためクローンを大量生産、自らのクローンに自分を移植させる願望を持つミシェル。猟奇殺人者の脳、ミシェルのクローン、スイッチを押す者、彼の狙いに必要なものは全て日本精神・神経医療研究センターに揃っている。手段を選ばないミシェルが先か、ミシェルに迫る猟奇犯罪捜査班が先か。その最中、比奈子がミシェルに拉致されてしまう。

決戦はセンターです。得体の知れないミシェルを恐れるのではなく相手も人間だと冷静なベテラン刑事に諭されたり、永久が急激に人を思える大人になっていったり、クライマックスに向かいながらも内面的なものも書かれていました。熟年カップルもいい味出しています。背表紙に本編完結の文字。本編って。。。これから何が展開するのでしょうか。確かに色々残っているんですよ。

シリーズ情報:
ONCUTAIDLEAKZEROONEBACKMIXCOPY.BURN.

2019

06

09

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黒猫の遊歩あるいは美学講義.森晶麿



月まで(モルグ街の殺人事件)/壁と模倣(黒猫)/水のレトリック(マリー・ロジェの謎)/秘すれば花(盗まれた手紙)/頭蓋骨のなかで(黄金虫)/月と王様(大鴉)

3年前、大学4年生の夏休み。黒猫と付き人はゼミの友人達とその一人・関俣の別荘を訪れた。だが、ピアノを弾いている時に壁から女の声が聴こえるとミナモが言い出し、それを聞いた関俣は自室で自殺した。黒猫は付き人に謎を解く。(黒猫、より)

心中探偵」で黒猫がとても印象的だったのですが、まさかこちらは既にシリーズの主人公であったとは。存じ上げず申し訳ありませんでした。非日常な事件というより、一話につきポオの一作品が対応し黒猫が新しい解釈をしながら日常の謎も解く連作短編集です。第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。

黒猫:24歳にして教授、ベルクソン的美学の眼差しから芸術史を洗い直す
付き人:ポオの研究をしている博士課程一年目の大学院生
唐草教授:学生時代二人のゼミの指導教授、学部長

シリーズ情報:黒猫の遊歩あるいは美学講義.
リンク情報:心中探偵

2019

06

06

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宮廷神官物語 五.榎田ユウリ



天青は慧眼を制御するため旅の一座に再び紛れ、櫻嵐と共に故郷の白虎峰を目指す。青き石に認められなければ慧眼は制御できないのだ。一方、藍晶王子も苦境に立たされていた。王の側室に毒を持った嫌疑がかけられ囚われてしまった。天青の慧眼は藍晶王子の嫌疑を晴らすために間に合うのか。偽りの慧眼児の見分の時間は迫る。

本作は藍晶王子の危機です。相変わらず悪い人は着々と人を犠牲にして迫ってきます。まだまだ大きな火種は残っており、それを出されるのは自作なのか。最後は、前作同様に謎の二人の会話で終わりますが(まぁほぼあの二人でしょうが)、少し路線が微妙になってきました。

瑛鶏冠:宮廷神官紫色三位、21歳、前髪の一房が赤い
天青:慧眼児であり神官書生、13歳
藍晶王子:麗虎国第一継承者、16歳
景曹鉄:宮中武官、19歳
櫻嵐:麗虎国の姫、17歳

シリーズ情報:宮廷神官物語 .五.

2019

06

03

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国宝の謎.歴史の謎研究会[編]



人々を魅了し続ける国宝の「美の秘密」/教科書にない国宝の「真実」/国宝に隠されたもうひとつの「物語」/ナゾがなぞを呼ぶ国宝の「未解決の謎」/明かされると歴史が変わる国宝の「ある噂」

国宝といえども全てが明らかになっているわけではないのですね。ワタクシでも見たことのある源頼朝のあの絵が頼朝ではない議論が続いているとか、阿修羅像といえば奈良の興福寺の阿修羅像は脱活乾漆造で重量が軽いため度重なる火災の度に建物から運び出せたのだとか。素人でも興味深く読むことが出来ました。

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