2017

12

27

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夜宵.柴村仁



一ノ経 チョコレートスープ/一ノ緯 マドウジ/二ノ経 ヒナちゃん/
二ノ緯 エフェメラの苗床/三ノ経 雪客衆/三ノ緯 曼殊沙華/
四ノ経 サザ/四ノ緯 カンナ

細蟹の市が立つ、夜宵ヶ淵という湖に浮かぶ小島。石骨地区の外れから
浮橋を渡るか舟で渡るしか方法がない。細蟹の市には何でも売っている。
生き死にの区別なく、人間さえ。記憶なく、気付いたら細蟹の市にいた
惑う児は、赤腹衆のサザに保護された。カンナと名付けられ長じていく。
だが、細蟹の市を巡る不穏な空気が流れ、カンナの身にも危険が迫る。

現代に投入された異世界、細蟹の市が立つ小島が舞台です。ジャンルは
どこになるのか、筆者のカテゴリがなければ困ったことになりました。
全体を覆っている淡々と暗い空気に、謎を孕んだカンナの存在。記憶が
なく身寄りのない彼が今後、どんな火種になって行くのか。細蟹とどう
絡んでいくのか。この世界にグイグイ引き込まれていきます。

一年の最後に推したくなる本と出会いました。

サザ: 赤腹衆
ヒチリキ: 雪客衆筆頭
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2015

04

26

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ノクチルカ笑う. 柴村仁



沖津魁は笑わない/真名井諭一は笑いたい/笑え。

文化祭のキラーコンテンツ・お化け屋敷を引き当て、準備を進める二年七組。
沖津はお化け屋敷に必要だという絵を取りに美術室に行く。死体は光るのか、
との呟きに首をかしげつつ。美術部員の真名井と共に絵を探すが、その最中
お化け屋敷のネタバレ画像が実行委員会公式アカウントに晒された。

文化祭二日前にネタバレされたお化け屋敷、責めあうクラスメイトの面々。
緊迫の後に進んでいきますが、沖津が取りに行かされた絵と、死体が光ると、
コア人物の心の闇とが、絡みきっていない感があります。それがないからこそ
淡々として流れている、そこも好きなんですが。彼方の姿が見えるのは、ほぼ
ラスト近く、懐かしい名前もちらっと聞けます。意外に微笑ましかったです。

由良シリーズ情報: 
プシュケの涙. ハイドラの告白. セイジャの式日. ノクチルカ笑う. 

2015

03

19

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セイジャの式日. 柴村仁



顔見知りの犀の頼みで、腰を痛めた彫刻家のアシスタントに駆り出されたハルは、
彼方も含め四人でアトリエを訪ねる。彫刻家は母屋に籠り、妻が夥しい量の石膏
取りの指示を出し、アトリエに放置された。翌朝、母屋には誰もおらず、裏の森を
探索したハル達は、死後数日経った彫刻家の腐乱死体を発見する。

アトリエの謎は美術大学で解かれます。才能が集結した美術大学の中でも、突き
抜ける才能。ゲージュツカは辛いんだなとハルは語ります。個性的な由良兄弟は
救われないのか。それも好きなんですが、おまけでは彼方の回復著しいです。
途中、ハルの名前が判明しますが、あっちとこっちに絡んでいてウケます。

由良シリーズ情報: プシュケの涙. ハイドラの告白. セイジャの式日. 

柏尾(旧姓:春川): ハル、美術大学デザイン科四年生
犀和彦: 美術大学油画科四年生
由良彼方: 美術大学日本画科三年生
由良宛: 彼方の一卵双生児の兄

2015

03

15

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ハイドラの告白. 柴村仁



美術大学生の春川は生協売店の老舗アート誌を見て、驚愕のあまり財布を取り落とし、
小銭をバラまいた。制作者としてクレジットされている姓名は布施正道で、作品も確かに
彼のものだが、顔は別人だった。春川は、数日で布施正道のアトリエの場所を突き止め、
その地へ向かう。そこで出会ったのは、同じ美術大学の後輩にあたる由良彼方だった。

前作ではいなかった(と思う)春川=ハルが勢いで行きついた地で、名前に覚えのある
由良彼方と出会います。本作も、表記なき二部構成。一部はハルの一人称、布施正道
がらみの数日。二部は彼方のいとこの一人称、宛がらみ。本作に登場する一枚の絵は
謎を孕んでいて、そこに描かれた少女とともに今後も絡みそうな気がします。

由良シリーズ情報: プシュケの涙. ハイドラの告白.

春川: ハル、美術大学デザイン科四年生
ねう: 布施正道のアトリエ近くに住む少女
由良彼方: 美術大学日本画科三年生
由良宛: 彼方の一卵双生児の兄

2014

11

11

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プシュケの涙. 柴村仁



高三の夏休み数学の補習中。榎戸川は、窓の向こうをクラスメイトの吉野彼方が
落下していくのを見た。友人もなく、登校拒否気味の少女の死は、飛び降り自殺。
誰もが静かに終わらせようとしたこの件に異を唱えたのは、吉野と同じ美術部の
男子・由良彼方だった。榎戸川と同様に吉野を見た旭は、由良に激しく反応する。

おお、久しぶりに重く長い話を読みました。本書が長いわけではなく、由良彼方が
これから重いものを長く引きずって行くことが予想される、終わり方という感じです。
一部二部と表記されてはいませんが、一部は榎戸川、二部は吉野の一人称です。
そして、この並びだからこその重さ長さを感じます。2010年の改稿。

由良シリーズ情報: プシュケの涙.
由良彼方: 有数の進学校の美術部部長。
由良宛: 彼方の一卵性双生児の兄。高専の機械工学科。

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