シカフ衛星C ミステリ・ホラー:マニアック=7:3 地味に更新しています
三知設立以来の大きなミスにより、西澤は目白署刑事課に、清野は麻布署
刑事課に飛ばされた。目白署管内の百貨店で万引きを働いた老女の話から
西澤は詐欺の端緒を掴む。やがてそれは清野へ、清野から三知へと大きな
詐欺事件の立件とつながっていく。「総員、着手せよ」真藤の声が響く。
西澤が目白署に飛ばされて2ヶ月後、「絶対に本部に戻って気概でやれ」と
大岩に言われた言葉を肝に銘じ、調べるほど怒りを増す卑劣な詐欺事件を
西澤は追います。一方で、これまたシリーズとして有り得ない展開が起こり、
次作が楽しみでもあり、苦しくもありです。
警視庁刑事部捜査二課第三知能犯目白署(三知)
西澤辰巳: 異動して3年目の警部補
真藤勝: 第三知能犯捜査係長、警部
清野卓: 行動確認班、警部
大岩茂樹: 定年退職した三知OB
小堀秀明: 西澤より年下のキャリア、警視
シリーズ情報: ナンバー. トラップ. リバース.
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土管/手土産/捨て犬/トラップ
西澤は前の事件で端緒を掴んだ、贈収賄事件を追っていた。その矢先、
真藤が体調不良で倒れ、〈 水も漏らすな 〉という伝言を西澤は受け取る。
これ以上水が漏れる要素はない。西澤がそう判断して送検してた2日後。
東京地検特捜部から電話が入った。(トラップ、より)
企業の横領や背任、詐欺案件の担当部署に異動して3年近く。安定感の
増した西澤が事件を追う連作短編集です。前の事件で端緒を掴み、次で
更に調査を進めて立件する。そして、最後のトラップでまさかの展開です。
シリーズとして無茶です。携帯電話の会社がイツモ。これも笑えました。
警視庁刑事部捜査二課第三知能犯捜査係(三知)
西澤辰巳: 異動して3年目の警部補
真藤勝: 第三知能犯捜査係長、警部
清野卓: 行動確認班、警部
小堀秀明: 西澤より年下のキャリア、警視
シリーズ情報: ナンバー. トラップ.
拉致問題への私的発言を理由に日本銀行を追われた大田原は、大学院の
教授をしていた。その大田原の講義に韓国の電子企業からスポンサードの
オファーがくる。CEOのイ・スーフンは越南した経歴があるも、詳細は不明。
彼は家族と再会するために、体制を内側から崩壊させる機会を待っていた。
同時期に、大田原の講義は中国からの留学生リ・ドンホを迎える。
不器用な大田原が何故か中心となり、話が進んでいきます。イ・ス―フンや
リ・ドンホの背景は深く切なく、大田原がいなくても読み応え十分なのですが、
それだと痛くなってしまう......緩衝材であり希望でもあるのかなと思いました。
2007年刊行の「ファンクション7」を改題、加筆・修正したものとのことです。
ワタクシ的には「ファンクション7」の方が好きです。どちらも有りなのですが、
背景を粛々と受けるなら改題、明るく考えるなら改題前という感じでしょうか。
秘書の人、素晴らしく有能でした。
ロング・ショート/ディスクロージャー/セレブバブル/ゴーストタウン
農連の債務超過のニュースに株価が激動。数分のうちに府中の手から
90億円分の金が溶け出し始めた。府中ファンドの決算日まであと1ヶ月。
利払いかファンド清算か。(ロング・ショート、より)
「デフォルト」の続編と言いますか、後日談と言いますか…短編集です。
官僚と銀行によって自殺に追い込まれた沢田の仇討から5年が経った
府中、宮島、莉子、角たちは自分の道を進みながらも筋を通しています。
作品としては「ロング・ショート」が一番好きなのですがファンドの世界の
攻防なので実はよくわかりません。ホラーさながらの緊迫感が好きです。
府中純: 中堅ヘッジファンドの主宰
宮島裕: インターネット専業メディアの編集長
城山莉子: 外資系広報代理店の営業
角浩二: 六本木一帯の高級クラブやホストクラブのオーナー
保秘/一二桜/あたり/へそ
警視庁本部捜査第二課知能犯捜査係、通称ナンバー。所轄署の刑事だった
西澤辰巳は、ナンバーの第三知能犯捜査に異動、企業の不正、横領、背任、
詐欺を専門に追うことになった。一方、高校時代の友人から受けた妹の相談。
それは思わぬ形で、西澤の追う事件と絡み合っていく。(保秘、より)
熱い一体感を持つ一課から、秘密主義で独特の捜査方法を行う二課に異動、
戸惑い悩みながらも、西澤は二課にも熱い思いや絆があることに気付きます。
各話の最後には手痛い衝撃を受ける、西澤の成長連作短編集です。経済は
全く疎いのですが、もと経済部記者の二課小説はわかりやすく面白いです。
警視庁刑事部捜査二課第三知能犯捜査係(三知)
西澤辰巳: 異動したばかりの警部補
大岩茂樹: 銀行班、定年間近の巡査部長
真藤勝: 第三知能犯捜査係長、警部
清野卓: 行動確認班、警部
シリーズ情報: ナンバー.
都立公園の敷地内で変死体が発見された。遺体は元刑事の香川、絞殺だった。
一課の兎沢が臨場し、手掛かりを追って山形に向かうが、立ちはだかる公安部。
現場で指揮をする志水は、かつて兎沢とともに海藤の部下だった。
刑事部と公安部、犯人との三つ巴ではなく、最初から最後の最後まで刑事部と
公安部とが激しく対立します。勝手に予想した最後とは大きく異なる展開でした。
ともに海藤の部下だった過去を挟みつつ、かなりの勢いでぶつかり合います。
重要な舞台の一つである病院の実名が、まんま使用されていることに驚きです。
逃げることもできる書き方ですが、イケるのが意外でした。
兎沢実:第四強行班七係
海藤啓吾:警視庁刑事部捜査一課長
志水達也:警視庁本部公安部公安総務課
曽野耕平:警視庁本部公安部公安総務課長