2019

08

26

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ナヅルとハルヒヤ.乃村波緒



花は煙る、鳥は鳴かない

物心ついた時から遊ぶ時はいつも一緒だった。だが、親に捨てられたナヅルは花煙師に連れられマキヨノの領苑を去った。それから10年。当代苑主が花煙師の出入りを禁止を発令し、その日が一月後に迫ってた日の夕暮れ。ナヅルと衛兵となったハルヒヤは再会した。花煙師を継いだナヅルは何故この時期にマキヨノに帰ってきたのか。

これはもう読み始めから淡々とした陰鬱とした、緩やかな自殺的な雰囲気が漂います。自分の仕事が奪われる一月前に何故帰るのか、ハルヒヤと会いたい本当にそれだけだったのか。裏表紙に「おれたちは要らないものか?」とありますが、親に捨てられ苑から排除されるナヅル=花煙師の叫びが根底にいつもある気がします。後半徐々にマキヨノを去った花煙師の背景と、ナヅルの強さが明らかになっていきます。
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2019

08

08

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ZI-KILL.中村啓



真夜中の殴殺魔

多摩山署管内の廃校で無惨に顔が殴り壊された遺体が発見され、刑事課の巡査部長・夢川時勇は臨場した。これは3件目の殴殺魔の犯行ではないか、連続殴殺事件の捜査本部が多摩山署に立つ。大きな事件に現場は湧くが、時勇は悩みを抱えていた。眠っている間に何処かに出かけているようなのだが、その間の記憶が無いのだ。自分が殴殺魔なのか?時勇は捜査後にもう一人の自分の捜査を始める。

自分の犯した事件を自分が捜査する。そこには破滅しかありません。時勇が追い詰められていく緊迫感はありますが、流石にそこまで野放しにしないのではと思わないでもありません。終りはナルホドなオチもありました。

2019

03

16

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二階の王.名梁和泉



二階の王/屋根裏

ショッピングモールで働く八洲朋子には引きこもりの兄がいた。自分のためにもと両親に願い出て、支援団体の手を借り状況を改善することになった。一方、4年前に変死を遂げた考古学者・砂原の著書『侵略者の探索』に従って活動する悪因研のメンバーは徐々に〈悪果〉達に襲われていく。やがて時が満ち、王の元に〈悪果〉達が集まり出す。

「マガイの子」の4年後です。前作で死亡した砂原の書籍「侵攻者の探索」を信じ集う悪因研は、各所を回り悪果の率で王の場所を探っています。彼らは元ひきこもりで悪果を感じる能力を持ち、それが朋子のひきこもりの兄とどう繋がっていくのか、二階の「王」とは何者なのか。カテゴリに迷いますが、ミステリって万能ですね。

2019

03

12

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邪馬台国と黄泉の森.長崎尚志



醍醐真司の博覧推理ファイル

消えたマンガ家/邪馬台国の女帝/天国か地獄か/闇の少年

総務部から異動して一ヶ月。念願のマンガ編集者となったばかりの安田だったが、担当のホラーマンガ家・椋がもう描けないとメールに残して失踪。かつて椋の初代担当者であった現在はフリーの編集者・醍醐と椋を探すことになった。椋が残した8枚の下書きとデビュー作「闇の少年」には実体験が絡んでいると椋の過去を探る醍醐に、安田は振り回される。

椋の過去に何があり何が原因で失踪したのか。それが判明するのは最終話ですが、全てが椋の話ではなく二話では女帝と渾名される朝倉ハルナの編集者に醍醐がなり、共に取材旅行に行く中で醍醐の邪馬台国説も語りに語られます。そして醍醐がかなりの人格者になっているのですよ。前作を読んだのが2015年なので記憶は薄いのですが、もっと傍若無人で濃いキャラだったような。。。

シリーズ情報:闇の伴走者.邪馬台国と黄泉の森.

2019

01

25

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マガイの子.名梁和泉



鞍臥の山にはマガイと呼ばれる獣が棲む。不用意に『お山』を訪れた者が大人ならば五体を引き裂き、子供ならば頭から飲み込んで偽物を産み落とす。その子供はマガイの子と呼ばれた。東京の美大に通う坂見風哩は、幼い頃に一緒に従兄と『お山』に入り従兄は惨殺、風哩は助け出されたが記憶はなくマガイの子と囁かれていた。美大での指導教授のセクハラで追いつめられる風哩。一方で、鞍臥に残る高校生の弟・怜治も集落に入り込んだ文化財保護のNPO団体に狙われる。

セクハラで悩む風哩が徐々に追いつめられ、どうなっていくのか。それだけでも面白そうなのに、鞍臥に残った怜治はどうなるのか。比重は半々、風哩と怜治が交互に中心になって話が進んでいきます。ありがちな暗さが風哩と怜治にはなく、むしろ風哩は短気で行動的です。姉弟愛も麗しく世界観も広い一冊でした。

2019

01

22

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県警猟奇犯罪アドバイザー・久井重吾.長崎尚志



パイルドライバー

横浜市の住宅街で一家三人が惨殺された。被害者の顔にはピエロのようなメイクが施され、犯人のものと思える大量の遺留品が残されていた。近隣では15年前に同様な未解決事件が起こっており、同一犯の可能性もあった。神奈川県警捜査一課長の羽佐間は15年前にその事件の捜査員だった久井を嘱託採用し、若手の中戸川と組ませることにした。久井に振り回される中戸川であったが、久井の事件への情熱が徐々に中戸川を変えていく。

交番勤務時代に殺人犯を見抜いたことから刑事となった中戸川は、刑事になりたくてなれた刑事ではありません。むしろ向いていないと自覚があり、父親の病気を機に家業の豆腐屋を継ぐために警察を去るつもりでいます。パイルドライバーという渾名を持つ久井の何が中戸川を変えたのでしょうか。中戸川はすっきりしたようですが久井はまだ踏み出せないものがあるようで、続編がありそうな雰囲気で終わりました。

2017

04

21

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シャーロックホームズの十字架. 似鳥鶏



強酸性湖で泳ぐ/争奪戦の島/象になる罪

通称ホームズ遺伝子保有者を識別、拉致するために行われる不可能犯罪。
直人は、保有者である妹・七海と共に機関が仕掛ける罠と対峙する度、戦う
覚悟を重ねる。だが、機関はその覚悟を嘲笑うかのような策を仕掛けてきた。
集められた保有候補者たちが覚醒する前に、直人は全てを解決出来るか。

不可能犯罪のトリックが有りか無しかは、些細な事である気がしてきました。
チームもそれぞれ立ち位置がより明確になり、新しい展開も興味深いです。

シリーズ情報: シャーロックホームズの不均衡. シャーロックホームズの十字架.

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