2019

10

16

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真実は間取り図の中に.皆藤黒助



半間建築社の欠陥ファイル

鬼とシェアハウス/開かずの間の巨人/彼氏の解体/鎹のような家

欠陥案件:何かしらの欠陥を抱えているため思うように進まない案件
工務店社長が欠陥案件を持って来た。施主は65歳女性、約1年前に建てたオール電化の新築一軒家を、半年の間に4回増築、この度5回目の増築依頼があったのだ。半間と環奈は施主を訪ね、施主は鬼を追い出すために増築すると言う。半間は鬼の正体を図面に落とし込む。

増築の理由は鬼、ですが、あまりホラー要素がありませんでした。無くはないのですが、横溝的なおどろおどろしさはありません。もっと人の内面に比重のある爽やかなホラー?です。

半間樹:設計事務所半間建築社代表、一級建築士
三宮環奈:同職員、大工
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2019

09

28

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カタコンベ.神山裕右



洞窟での潜水を専門に行うケイブダイバーの東馬亮は、発見された大規模な鍾乳洞の調査に参加するため新潟に向かった。自分の考えが正しければ5年間探し続けていたものが、その洞窟で見つけられることを願っていた。5年前に父を亡くした大学院生の水無月弥生も発見時に撮影された動物の骨の調査のため、マカロフを手にした男も洞窟の調査に向かう。だが、東馬の到着前に大規模な崖崩れが発生、弥生を含む第一アタック班が閉じ込められた。水没までは5時間、東馬は単身救助に向かう。

洞窟の中には次々に発生する崖崩れ、水没までのタイムリミット、殺人犯、銃を持つ男など多くのものが犇めき合っています。東馬は贖罪のため単身洞窟に向かいますが、第一アタック班と合流してからも落石や鉄砲水、見えない殺人犯に翻弄され、一体誰が生き残れるのでしょう。過去の傷にも溺れ過ぎない、程よい湿度でした。

第50回 江戸川乱歩賞受賞作

2019

07

30

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サスツルギの亡霊.神山裕右



子連れ同士の再婚で兄弟となった篠田英治と矢島拓海。母に続き父が亡くなったことを機に疎遠になった。研究者として隕石調査隊に加わった南極で行方不明となった英治。その2年後、カメラマンの拓海の元に英治の死の真相が知りたければ南極に行けというメッセージと、同時期に越冬隊の密着撮影の仕事の依頼が舞い込む。偶然か、何かの始まりなのか。参加を決意した拓海に危険が迫る。

拓海はなぜ英治と疎遠になったのか、英治の行方不明の真相は何なのか。それらが絡み合いながら、南極という陸の孤島で次々と事件が起こります。ただでさえ過酷な環境なので緊迫感があります。乗り越しを心配しながら読み進めた後、サスツルギって何?と我に返りました。

2019

07

12

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ふりむけばそこにいる.久賀理世



奇譚蒐集家 小泉八雲 罪を喰らうもの

名もなき残響/Heavenly Blue Butterfly/罪を喰らうもの

始まりは4日前、オーランドは雑木林に少年を見た。その少年は子供時代のオーランドそのもので日々成長していき、明日には現在の自分と瓜二つな姿で現れる恐れがあった。学寮の同室であるパトリックに相談するも、自分があちら側のものと気付きもしないで関わっている事実を突きつけられる。(名もなき残響、より)

もっと色々展開があり感動の一編なのですが、書きすぎると差し障るので。本作ではオーランドとパトリックが友情を育み、時に支え合っていく姿が書かれています。自分だけが視える自分だけが聴こえる、だと辛い時もあります。それが共有出来ることがお互いにとって得がたいことのようです。

オーランド・レディントン:聖カスバート校編入生、訳あってチェロをやめている
パトリック・ラフカディオ・ハーン:
聖カスバート校変わり者の神学生、オーランドにパトリキオス・レフカディオス・ハーンと名乗る
ジョージ・ロバート・ハーン:パトリックの兄

シリーズ情報:ふりむけばそこにいる.罪を喰らうもの.

2019

06

29

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アリス殺し.小林泰三



栗栖川亜理は不思議の国の夢ばかり見ることを自覚、夢の内容を書いておくことにした。『こんな夢を見た。白兎が走る。蜥蜴のビルに「スナークはブージャムだった」という合言葉を聞く。ハンプティ・ダンプティ殺害される』亜理が大学の研究室に着くと王子玉男が墜落死したことを知る。夢で死ぬと現実でも死んでしまう?その後も夢と現実がリンクするように事件が相次ぐ。夢の国のアリスは三月兎と帽子屋から1週間の猶予を貰い、自分の容疑を晴らそうとするが極力してくれる井森健は現実では頭が切れるのだが夢の国では記憶力がほぼない。亜理はアリスを救えるか?

「不思議の国のアリス」のキャラクターが登場し、あの不条理な会話が本家さながら展開されて笑えます。そして蜥蜴のビルがいい味を出しています。現実では頭が切れて頼りになりますが、夢では誰もが仕方ないと脱力する程記憶力がないのです。井森と現実で打ち合わせしても夢に持ち込めないんですよね。それが笑えます。笑えますが、殺害方法はエグいですし最後ヤラレますし、侮れません。

2019

04

15

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かにみそ.倉狩聡



かにみそ/百合の火葬

流星群の翌朝、蟹を見つけた。手を差し伸べると掌に乗って来たので飼うことにした。蟹は何でも食べ、新聞を読み、言葉を操る。ある日、女を殺害してしまい蟹に食べるか尋ねたところ「じゃ、遠慮なく」と食べ始めた。それから毎夜、捕食のために蟹を町に連れ出すことになった。(かにみそ、より)

人間を食べ始めた蟹をどうするのか。当初、主人公は蟹が捕食をするところを見るのか楽しみでした。蟹との友情を育みながら捕食を手伝う日々ですが、ある事を機に主人公は変わっていきます。そして最後に行き着くところは、しんみりです。

第20回日本ホラー小説大賞 優秀賞受賞作

2019

01

19

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瑕死物件.櫛木理宇



コドモの王国/スープが冷める/父帰る/あまくてにがい/209号室のアオイ

サンクレール407号室に引っ越してきた奈緒。3歳になる息子・雄斗が209号室に住んでいる葵を連れて来た日を機に、葵は家に入り浸り雄斗ばかりか夫までが葵と遊ぶだけになる。3人の子供を抱えるような生活に奈緒は疲弊していく。(コドモの王国、より)

209号室に住むという葵が、一話毎それぞれの家庭を侵食していきます。葵は一体誰なのか何故209号室に住んでいるというのか。徐々に明らかになる過去は切ないものでした。一話毎に視点人物が変わります。

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