2019

04

15

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かにみそ.倉狩聡



かにみそ/百合の火葬

流星群の翌朝、蟹を見つけた。手を差し伸べると掌に乗って来たので飼うことにした。蟹は何でも食べ、新聞を読み、言葉を操る。ある日、女を殺害してしまい蟹に食べるか尋ねたところ「じゃ、遠慮なく」と食べ始めた。それから毎夜、捕食のために蟹を町に連れ出すことになった。(かにみそ、より)

人間を食べ始めた蟹をどうするのか。当初、主人公は蟹が捕食をするところを見るのか楽しみでした。蟹との友情を育みながら捕食を手伝う日々ですが、ある事を機に主人公は変わっていきます。そして最後に行き着くところは、しんみりです。

第20回日本ホラー小説大賞 優秀賞受賞作
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2019

03

22

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TENGU.柴田哲孝



1974年秋、群馬県の寒村で凄惨な連続殺人事件が発生した。米陸軍の政治的介入により、事件は被疑者不詳のまま迷宮入りとなった。26年後、中央通信の記者・道平慶一は事件当時、世話になった鑑識・大貫から呼び出された。人間には行えない程の凄惨な現場、土地の伝承と合わせてTENGUと呼ばれた犯人を、道平は再び追うことになった。

道平がかつて追った事件は人間の力とは考えられない程、圧倒的に凄惨な殺人事件でした。発生時に世話になった鑑識の大貫の依頼で再度事件を調べ始めますが、そこには愛した女性の存在や米国の関与も。。。「KAPPA」で活躍するルポライター有賀も途中登場し、道平をサポートします。

道平慶一:中央通信の記者、マムシ
大貫俊一:沼田署鑑識、ムジナ
有賀雄二郎:ルポライター

2019

03

16

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二階の王.名梁和泉



二階の王/屋根裏

ショッピングモールで働く八洲朋子には引きこもりの兄がいた。自分のためにもと両親に願い出て、支援団体の手を借り状況を改善することになった。一方、4年前に変死を遂げた考古学者・砂原の著書『侵略者の探索』に従って活動する悪因研のメンバーは徐々に〈悪果〉達に襲われていく。やがて時が満ち、王の元に〈悪果〉達が集まり出す。

「マガイの子」の4年後です。前作で死亡した砂原の書籍「侵攻者の探索」を信じ集う悪因研は、各所を回り悪果の率で王の場所を探っています。彼らは元ひきこもりで悪果を感じる能力を持ち、それが朋子のひきこもりの兄とどう繋がっていくのか、二階の「王」とは何者なのか。カテゴリに迷いますが、ミステリって万能ですね。

2019

03

12

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邪馬台国と黄泉の森.長崎尚志



醍醐真司の博覧推理ファイル

消えたマンガ家/邪馬台国の女帝/天国か地獄か/闇の少年

総務部から異動して一ヶ月。念願のマンガ編集者となったばかりの安田だったが、担当のホラーマンガ家・椋がもう描けないとメールに残して失踪。かつて椋の初代担当者であった現在はフリーの編集者・醍醐と椋を探すことになった。椋が残した8枚の下書きとデビュー作「闇の少年」には実体験が絡んでいると椋の過去を探る醍醐に、安田は振り回される。

椋の過去に何があり何が原因で失踪したのか。それが判明するのは最終話ですが、全てが椋の話ではなく二話では女帝と渾名される朝倉ハルナの編集者に醍醐がなり、共に取材旅行に行く中で醍醐の邪馬台国説も語りに語られます。そして醍醐がかなりの人格者になっているのですよ。前作を読んだのが2015年なので記憶は薄いのですが、もっと傍若無人で濃いキャラだったような。。。

シリーズ情報:闇の伴走者.邪馬台国と黄泉の森.

2019

03

07

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KAPPA.柴田哲孝



牛久沼で知人が河童に襲われたと通報があった正午過ぎ、被害者のものと思われる下半身の遺体が発見された。関東でも有数の河童伝説を数多く持つ牛久沼の記事に、ルポライターの有賀は本能に従い牛久沼に向かう。以前、河童伝説を纏めようとしたが情報の多さに投げ出したことがあったのだ。その時に知り合った川漁師の源三から情報を得ながら牛久沼に留まる有賀。そこに刑事の阿久沢、不登校の少年・太一も加わり河童を追う。

有賀を中心にクセのある人物が河童を追います。河童が本当に人を襲ったのか、そもそも存在するのか。UMAとミステリの融合ですか?ホラーとミステリほど融合はしないと思うのですが、どこに着地するかわからないので最後まで迷子のように読みました。ネタバレ注意ですが、最後は妥当な終わり方と思いました。

阿久沢健三:牛久署刑事課36歳
有賀雄二郎:ルポライター33歳
吉岡源三:牛久沼の川漁師70歳
稲倉太一:不登校の少年中学3年生
雄輝:雄二郎の息子9歳

2019

02

17

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GEQ.柴田哲孝



激震/2007年・神戸/2007年・東京/2008年・神戸/2008年・ロサンゼルスー中国/2008年8月8日・北京

1995年未明、京阪神地区を激震が襲った。国防戦略を専門とするジャーナリスト・ジョージは2007年神戸を訪れた。交流のあったジャーナリスト・吉村から会いたいとメールがあったのだが、彼は3年前のバンダ・アチャの大地震で亡くなっていた。現れたのは恋人だったという麻紀と名乗る女性。彼女は吉村が追っていたものを引き継ぎ、自身の謎を明かして欲しいという。吉村のリストのある人物達にインタビューを行うジョージの前に、巨大な陰謀が現れる。

Great Earth QuakeでGEQ=大地震。不謹慎ながらも最初はなかなか話が進まず。後半は一気に緊張感が高まりました。地震とその背後にあるものを、ジャーナリストが追います。

2019

01

25

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マガイの子.名梁和泉



鞍臥の山にはマガイと呼ばれる獣が棲む。不用意に『お山』を訪れた者が大人ならば五体を引き裂き、子供ならば頭から飲み込んで偽物を産み落とす。その子供はマガイの子と呼ばれた。東京の美大に通う坂見風哩は、幼い頃に一緒に従兄と『お山』に入り従兄は惨殺、風哩は助け出されたが記憶はなくマガイの子と囁かれていた。美大での指導教授のセクハラで追いつめられる風哩。一方で、鞍臥に残る高校生の弟・怜治も集落に入り込んだ文化財保護のNPO団体に狙われる。

セクハラで悩む風哩が徐々に追いつめられ、どうなっていくのか。それだけでも面白そうなのに、鞍臥に残った怜治はどうなるのか。比重は半々、風哩と怜治が交互に中心になって話が進んでいきます。ありがちな暗さが風哩と怜治にはなく、むしろ風哩は短気で行動的です。姉弟愛も麗しく世界観も広い一冊でした。

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