2019

05

22

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カインの子どもたち.浦賀和宏



立石アキの祖父は拘置所で死刑を待つ身だった。両親は冤罪と信じ活動をしているが、アキ自身は祖父の面会にも行ったことはなかった。小学生の頃に「カインの孫」と冷やかされ心の傷となっていった。一方、ノンフィクション作家・泉堂莉菜も死刑囚の祖父を持っていたが、祖父の無実を信じ冤罪をテーマにした本を数冊出していた。二人は出会い、共に祖父の事件を追う。

桑原銀次郎が筆者のライフワーク的に多数作品に登場するのかと思っていましたが、前作のやられっぷりをみていると泉堂莉菜の前座的な存在なのかと疑います。本作はなぜ莉菜が西野冴子を標的にしたのかは判明しますが、それだけに銀次郎となぜ敵対しているのかが疑問に残ります。銀次郎というより週刊標榜なのかも知れませんが。元妻といい、女運が悪いのでしょうか。

リンク情報:Mの女十五年目の復讐.カインの子どもたち.
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2019

05

19

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ドクター・デスの遺産 刑事犬養隼人.中山七里



医師に父を殺された。悪いお医者さんが来て、お父さんを殺しちゃった。八歳の少年の通報により、犬養は明日香を伴い葬儀場を訪れた。母子の証言の齟齬に犬養は司法解剖の手続きを進め、塩化カリウム製剤の注射によって殺害された可能性ありという結果が出た。犬養は少年の母親から〈ドクター・デスの往診室〉というサイトから依頼したと証言を得た。安楽死を20万円で請け負うドクター・デスを追うため、犬養は病身の娘を囮にする。

また重い話題を持って来ました。医療と倫理と法律とその他絡み合っており、多くは語れません。犬養と娘・沙耶香との距離が近くなってきている、というか彼女が歩み寄ってくレていると感じますが、犬養は気付いているのでしょうか。シリーズ一作目があれな感じだったのでスルー気味でしたが、犬養が重病の娘を持つ父親であり警察官であることは重要項目だったんですね(遅)。「切り裂きジャックの告白」は犬養と古手川のテーマの融合だったのかも。

刑事犬養隼人シリーズ:切り裂きジャックの告白七色の毒ハーメルンの誘拐魔 .ドクター・デスの遺産. 
犬養隼人:警視庁刑事部捜査一課麻生班刑事、警部補、主人公
高千穂明日香:警視庁刑事部捜査一課麻生班刑事、犬飼の部下
葛城:桐島班
蔵間:東大本郷キャンパス法医学教室准教授

2019

05

16

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赤レンガの御庭番.三木笙子



不老不死の霊薬/皇太子の切手/港の青年/My Heart Will Go On

明治の世。明彦は米国の探偵社で経験を積み帰国、横濱で探偵事務所を構えた。義母の生家は将軍直属の情報機関である御庭番、その家柄からか明彦は横濱実業界の長老から横濱に暗躍する犯罪コンサルト・灯台を壊滅するための個人的な御庭番としての依頼を受けた。共に動くのは既に横濱の仕出し弁当屋として潜入しているミツだった。

明彦は文弥を従え、ミツと共に灯台に対峙します。事情があり生後すぐに義父母に養子に出され、しかし生家より裕福であったため何不自由なく育った容姿端麗、頭脳明晰な明彦。一方、ミツも容姿端麗、頭脳明晰ながらも影があります。それが灯台とどう繋がるのかが一つ注目される点です。明彦がミツに随分と思い入れがあるようでしたので、複雑な過去のどこかで繋がっているのかと思いましたが、今回あっさり終了しました。

入江明彦:米国から戻り探偵事務所を開設、義母の生家が八大将軍の御庭番
文弥:明彦の身の回りの世話をする、母が明彦の乳母だった
本橋主税:明彦の義理の叔父、横濱税関長
楠総一郎:横濱実業界の長老
ミツ:楠翁の指示で横浜の仕出し屋で御庭番となる

2019

05

13

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くれなゐの紐.須賀しのぶ



大正の世。婚礼の前日、長姉のハルが消えた。半年後、次姉のもとにハルの字で書かれた差出人のない凌雲閣の絵葉書が届き、仙太郎は消印のあった浅草にハルを追う。だが、手立てのない仙太郎は六区を牛耳る男子禁制の少女ギャング団・紅紐団の長と出会い、団のシマを荒らす組織を女装して仙太郎は探ることになる。

ハルが姿を消したのは少なからず自分のせいだと仙太郎は思っています。みつけて話がしたい一心で男子禁制の少女ギャング団に潜り込み、女装して大活躍します。ですが、この時代の女性の立場や貧乏が学ぶ機会を奪い体を売る少女達と出会ったことで、仙太郎も自分が何をすべきか、ハルが何を考えているのかを理解していきます。仙太郎が正面から受け止めて自分の道を選んだところ、いい感じでした。

2019

05

10

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魍魎桜.内藤了



よろず建物因縁帳

古くからの地滑り地帯・猿沢地区で新たな地滑りが。その現場から現れたのは伝承通りの若き僧侶の人柱だった。仙龍らと現場近くの南鞍寺を訪れる途中、春菜は枝垂れ桜に佇む老婆に憑かれる。僧侶の遺骨からは感じられない瘴気が、枝垂れ桜から強く発せられ、老婆は現場を訪れた者の命を奪っていく。二つはどう繋がるのか。仙龍は春菜をサニワとして、魍魎となった枝垂れ桜に願いを問う。

地滑り現場に係る一方で、春菜は仙龍が繋がれる因縁の鎖を目にします。今まで少し遠くにあった隠温羅流導師は42歳の厄年に生涯を終える、という因縁が春菜に突き付けられます。諦めの悪いサニワには諦めなくてもいい縁が寄ってくるかも知れない。何を成すのかが重要であって、そのために導師の寿命など関係ない。作中の会話なども深くなってきてまして、これは講演料が取れますね。

シリーズ情報:鬼の蔵首洗い滝憑き御寮犬神の杜.魍魎桜.

高沢春菜:広告代理店営業、主に博物館の展示計画に携わる
守屋大地:曳き屋師、隠温羅流導師、鐘鋳建設社長、仙龍の号を持つ
崇道浩一:法被前の駆け出し、同社新入社員、文化人類学の修士を持つ
小林寿夫:民俗学者、歴史民俗資料館学芸員、元教授
加藤雷助:廃寺三途寺に勝手に住み着いた和尚
守屋治三郎:仙龍の祖父の末弟、鐘鋳建設専務、棟梁と呼ばれている
青鯉、軔、転、茶玉:隠温羅流四天王

2019

05

07

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予告状ブラック・オア・ホワイト.市井豊



ご近所専門探偵物語

予告状ブラック・オア・ホワイト/桐江さんちの宝物/嘘つきの町/おかえりエーデルワイス/絵馬に願いを

川崎市のご当地アイドルユニット「ブラック・オア・ホワイト」の下に爆破予告ともとれる手紙が送られてきた。悪意があるのか、ないのか。白黒はっきりつけて欲しい、そして黒なら差出人を突き止めて欲しい。その日に配属された真面目すぎる秘書・透子に追い立てられながらも、ものぐさ探偵・九条はライブ会場で護衛につく。(予告状ブラック・オア・ホワイト、より)

九条財閥の御曹司で、かつて全国を股にかけ数多くの難事件を解決した素人探偵であった清春。今は職業探偵となっておりますが、規模は"ご当地"と守備範囲は狭まっています。彼なりの基準で"全国レベル""県レベル""ご当地レベル"に分類されるようです。働かなくてもお金に困らないものぐさ探偵が、なぜ突然、難事件から離れたのか。それは本作ではわかりませんので、次作もありそうです。意外に九条も透子もあまりクセがないので、もっと欲しいですね。

九条清春:九条探偵事務所探偵
渡会透子:九条探偵事務所秘書

2019

05

03

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響野怪談.織守きょうや



怪談実話の家族版です。男所帯の響野家の末っ子・春希の優しさは、霊的なものだけではなさそうな色々なものも呼び寄せてしまいます。夏生は見えるようですが気にしない、名前の如く夏のような運動部の極みのような対応で。秋也は全く信じもせず、冬理はより強く守ることもでき。父は大らかに。それぞれの話に兄弟を噛み合わせながら、怪談実話家族版が進んでいきます。一話だけ、毛色の違う怖さの話があります。(と、思うのですが読み違いかも知れません)

響野父:オカルトライターらしき、霊感ナシ
響野夏生:その息子、高校2年生らしき、見えたりするが気にしないバスケ部員
響野秋也:その弟、中学3年生らしき、本が好き、信じていない
響野冬理:その弟、中学3年生らしき、霊感あり、対処もできる
響野春希:その弟、中学1年生らしき、霊感あり、よく呼び寄せる

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