2011

11

29

コメント

拒絶空港. 内田幹樹



NIA(ニッポンインターナショナル・エア)206便が主脚タイヤを破損したとの一報に、
成田運航整備室の竹村は、詳細を確認に動く。だが、運航統制本部は情報を出さず、
解決策も見出せないまま、機体に放射性物質が持ち込まれたという続報までが入る。
放射性物質を載せた206便の受け入れ先は空港は無く、墜落を待つしかないのか。
機長の朝霧は、放射線物質を投棄し緊急着陸することを決意、地上に要請する。

全搭乗員を第一に考える機内クルーと地上職員。会社第一に考える運航統制本部。
現場とエリートの考えの違いは永遠のテーマとはいえ、ここの運航統制本部の人間は
ホント頭にきますよ。小説だということを忘れて、感情的になりました。著者の実体験が
活かされていると推察されます(笑)。機長が倒れ、機に致命的なトラブルを抱えながら
着陸させる江波副操縦士も、最悪の状況に陥りながらも冷静に対処する朝霧機長も、
どちらも素晴らしい。飛行機に乗るなら、こんな機長の機に乗りたいと思うこの頃です。

パイロット・イン・コマンドまたはニッポンインターナショナル・エア、シリーズ情報:
パイロット・イン・コマンド. 機体消失. 操縦不能. 査察機長. 拒絶空港.
スポンサーサイト

2011

10

31

コメント

査察機長. 内田幹樹



ニッポンインターナショナル・エア社では年に一度、機長の路線審査を行う。査察機長が
フライトに同行、副操縦士を務めながらチェックするのだ。初めての審査を受ける村井は、
同期の相沢を機長昇格審査で不合格とした氏原の査察と聞き、神経質になっていた。
だが、空港を前に天候が悪化、代替空港に向かう機の無線が入る。村井の機は吹雪を
前に着陸できるのか、代替空港までの燃料はもつのか。村井に決断の時が迫る。

時系列は「操縦不能」の少し後、ニッポンインターナショナル・エア社のドキュメントです。
定期路線審査飛行を、初の審査を受ける村井と、コンビを組むベテランの機長の大隈、
二人の視点で路線が丁寧に書かれており、本当にドキュメント番組を見ているようです。
ミスをすれば機長資格が剥奪、厳しいと評判の氏原の査察が気になり、集中できない
村井の着陸を前に悩む様が、そこらへんのサスペンスより臨場感があります。


私事ですが、出張でチリにいます。出張前にノートパソコンを購入し、初の海外更新が
飛行機系の書評かと勝手に感慨深く思っています。実況生中継もしたかったのですが、
写真を撮った携帯とこのパソコンを繋ぐケーブルがないので、帰ってから試してみます。

と、いうわけでトモナシさん。生きて帰ったら、延期していたお祝いしましょうね。

パイロット・イン・コマンドまたはニッポンインターナショナル・エア、シリーズ情報:
パイロット・イン・コマンド. 機体消失. 操縦不能. 査察機長. 

2011

10

25

コメント

機長からアナウンス 第2便. 内田幹樹



キャプテン、この便はどこ行きでしたっけ/とにかく無事に着陸させる/
空の世界のグレーゾーン/万全のセキュリティのために/
ハイジャックは絶対に防げないのか/こんなサービスもございます/
グレートキャプテンたち/ひやりとしたことありますか?/
滑走路にはじまり滑走路に終わる/メンテナンスは苦労が絶えない/
節約にもコツがある/空港はこれからどう変わるべきか/
JAL・JAS合併、業界再編、業界タイヘン/ミスはどうして起きるのか

前作「機長からアナウンス」は、『飲みながらオフレコで話しているバカ話』、
本書は酒が進み『一層、口が滑らかになって言いたい放題』だそうです。
著者がコーパイ(副操縦士)時代に目の当たりにした、もと戦闘機や爆撃機の
パイロットで、時代の波を乗り越えたグレートキャプテンたちのスゴ技と知識。
教官も兼ねていたときに、実機訓練で墜落一歩手前までいったこと。意外な
ところでは、A社の便では医療関係者が平均89%の確立で搭乗しているなど。
前作に書ききれなかった体験談や、空港の未来像まで満載です。

2011

10

17

コメント

機長からアナウンス. 内田幹樹



プロローグ:日航ニアミス事故で感じたこと/スチュワーデスとパイロットの気になる関係/
パイロットが誕生するまで/飛行場のクセと離着陸の難しさ/事故とさまざまな謎について/
コクピットのなかでは・・・・・・/いろいろなお客さん/なぜかグローバルな内輪話/
パイロットは本当に破格の待遇か?/パイロットを取り巻く環境/
安ければいい?それとも安全は別?/僕の飛行機列伝/新しい航空会社の可能性

「飲んでいるときの話がおもしろいので」と、編集者からエッセイ執筆を勧められたとのこと。
確かに専門性の高い人の話は面白いですよね。そして空の安全についても、安さばかりを
求めても、リスクとコストの天秤はつりあわないことなど、わかりやすく書かれています。


傑作だったのは、ステーキと和食と魚はサーモンのライス添えがあると言われたある日の
フライトで、サーモンのライス添えを待つこと五分、鮭定食と味噌汁が湯気を上げていたと。
また別の日には、(魚は懲りたので)酢豚にしたところ、ロールパンが二つ付いていたと。
どちらもスチュワーデスさんの素晴らしいご意見が笑えますよ。是非、読んでみて下さい。

先週末に出張しましたが、この飛行機のコクピット右席には副操縦士の江波がいて・・・
あ、でも、緊急事態はナシでとか、この音はあれの音だとか。妄想は止まることを知らず。
妄想族にとっても一般の方にとっても、空の旅が楽しくなること間違いナシの一冊です。

2011

10

08

コメント

操縦不能. 内田幹樹



パイロット・イン・コマンド3

亡命者を乗せたワシントン行き002便は、大雪のため大幅に遅れて離陸した。直後、
機長二人が倒れ、副操縦士の江波は緊急事態をコール。成田に引き返すことになった。
だが突如、自動操縦装置が外れ、速度計や高度計が狂いだす。緊急事態の002便を、
訓練シュミレーターが救うが、成田は大雪で滑走路も凍っている。有視界で降りられる
那覇で着陸すべく那覇に向かう江波だったが、ついに体調を崩す。着陸できるのか。

食事トレイの不足から亡命者の発覚し緊張感が一気に高まるのですが、世界一不運な
副操縦士・江波の姿はその機にはなく、あれっと思ったら、アメリカ亡命時の便でした。
こちらも離陸直後に機長二人が倒れ計器は狂い、一気に緊張感は高まります。那覇に
着陸が決まってからも悪天候に悩まされたり、地上からの通信を切れたり、江波自身の
体調が悪くなってきたりと、最後まで気が抜けませんよ~。さすが、元国際線機長です。

パイロット・イン・コマンドまたはニッポンインターナショナル・エア、シリーズ情報:
パイロット・イン・コマンド. 機体消失. 操縦不能. 

2011

09

25

コメント

機体消失. 内田幹樹



パイロット・イン・コマンド2

前作の事故から二ヶ月後、ライン復帰できずにいる副操縦士の江波は、滝内の住む沖縄県
下地島を訪ねた。下地島訓練所で教官をしている滝内に相談がてら、休養する予定だった。
だが、コカインを
密輸していた小型機が消え、下地島を探す犯罪グループは、滝内の家族を
人質に、訓練機で台湾まで飛べと要求する。銃弾に倒れる滝内、江波は一人操縦桿を握る。

背表紙に「世界一不運な副操縦士・江波順一」と書かれていました。冒頭に、ライン復帰を
保留された江波が、休養に行った下地島で激しいスコールの中、銃創を負った命を預かり
着陸します。究極のショック療法、確かに世界一不運な副操縦士ですね。

パイロット・イン・コマンドまたはニッポンインターナショナル・エア、シリーズ情報:
パイロット・イン・コマンド. 機体消失.

2011

09

18

コメント

パイロット・イン・コマンド. 内田幹樹



ブラックリストのクレーマー客や国際犯罪の被疑者を乗せ、202便はロンドンを発った。
やがて、キャビンに響く異常な振動や捨てられてたライフベストなどの異変にCAたちが
気付き、クレーマーや急変した被疑者対応の合間に調査を進めるが、ついに成田近くで
第二エンジンが炎上。機長二人と数人のCAが倒れてしまう。乗客の命は、副操縦士の
江波と残されたCAたちに託された。傷ついた202便は無着陸できるのか。

パイロット・イン・コマンド・・・コマンド?シュワちゃんなみのマッチョなパイロットが、あっと
いう間にハイジャック犯を蹴倒す話かと思いましたが、機長として国内線、国際線に乗務
経験を持つ筆者の文中には、下記の解説?があり、全くの勘違いと判明しました。
『フライトの総指揮をとるパイロット・イン・コマンド(PIC)機長と、PIC機長が機長席を
離れた時に機長業務を行うセカンド・イン・コマンド、副操縦士の江波は第三指揮順位だ』」

第二エンジン炎上時に二人の機長は倒れ、副操縦士・江波に乗員乗客の命が託されます。
そこに至るまでの些細な異変の気付き方や炎上時の描写が、お見事で臨場感があります。
また、展開の合間に、緊急着陸時の姿勢や事故機からの脱出の注意が盛り込まれ、解説
書のようです。ワタクシ小心者ですので、飛行機の座席にある小冊子や動画は必ずガン見、
ホテルの脱出進路の確認など、ついやってしまうのですが、続けていこうと思いました。

パイロット・イン・コマンドまたはニッポンインターナショナル・エア、シリーズ情報:
パイロット・イン・コマンド.

プロフィール

シカフ

Author:シカフ
シカフ衛星Cへようこそ!

日本ブログ村

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

カレンダー

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

検索フォーム

軽量 ページネーション

Designed by

Ad